犬ぞりの大先輩が、入院中の子供たちへの訪問活動ボランティアに取り組まれていた。犬ぞりのわんこ達が病院をおとずれ子供たちとふれあう。
これにサンが参加させてもらった。子供たちが乗った特製カートを、ハーネスを付けたサンとハンドラーの私の息子がゆっくり曳く。
感動した。サンと一緒に子供たちを笑顔にする。
犬を通じた社会貢献ができる事を知った。
2004年、私は友人たちと立ち上げたボランティア団体で、『犬のおまわりさん』にとりくむことにした。
犬にそろいのバンダナをつけ、お散歩しながら防犯パトロールをしようというもの。
当時全国的に登下校の子供が犯罪に巻き込まれる事件が多発して、いろんな形の防犯対策が始まっていた。
愛犬家は毎日散歩に出かけ、日常の様子がよくわかっている。地域の不審者や不審車に気づきやすいし、愛犬が目印になり子供たちにも親しみやすい。
わんこに特別な能力が必要なわけではなく、子供たちに対する優しい目線を人が持てばよい。愛犬家なら、だれでもとっつきやすいボランティアだ。この地域は防犯に取り組んでいますよ、とのアピールになり犯罪抑止効果が期待できる。
犬を連れて市内全小学校を防犯講習会に回り、犬との接し方をお話しした。
うれしいことに、この『犬のおまわりさんボランティア』にたくさんの愛犬家が参加いただいた。新聞やTVにも取り上げていただき、広く知られるところとなった。
また、犬の糞放置をなくそうという『連れて帰ってワンチ君』というボランティアもした。『連れて帰ってワンチ君』の絵本作家さんに賛同いただき、絵柄を印刷したお散歩バックを作成、愛犬家の皆様にご購入ご愛用いただくというもの。この絵本は子供たちへの読み聞かせにも使った。
みんな赤ちゃんの時、ウンチした後のお手入れをお母さんが愛情込めてしてくれたんだよ。ワンちゃんもワンチ(わんこのウンチ)は自分で片付けられなけられないから、飼い主さんが片付けてあげてね。という優しい絵本。
このボランティアも、強制や罰則で糞放置をなくそうというスタンスでなく、優しく言う、「つれて帰ってワンチ君」。この美しい信州の風景を守ろうと。
様々なボランティア活動をとおして、人を動かすのは、強制や非難や罰則ではなく、だれかのためにという思いだったり、自分も誰かも共に幸せになろうということかなと思うようになった。
そうこうするうち、市でドッグラン研究会を立ち上げ、市にドッグランが必要かどうか、設置するとしたらその形態はどうするかを検討することになった。私が研究会の長を任命した。
県内のドッグランの視察、様々な角度からの検討、仮試行期間を経て、市に公設市民営のドッグランを設置することができた。市民による利用者会を立ち上げ、市事務局と協力して、一から手作りの設置と整備管理作業を楽しみながらおこなった。利用ルールも秀逸と自負する。
利用登録制による、飼い主さんの犬の飼い方・マナー向上と、飼い主さんどうしの交流や、生きがいづくり健康増進が見込まれた。
ドッグランづくりのきっかけとなった愛犬サンは、ドッグランがオープンする前にガンを発病して亡くなり「サンを思い切り走らせる」ことはできなかった。サンの闘病介護をしつつ、ドッグラン研究会を続けられたのは家族の協力のおかげだ。家族の愛したサンは、家族全員で介護した。私たちはサンからたくさんのことを教わった。