朝ん歩でウグイスの初鳴きを聞いた。寒い冬だったが春はもうすぐだとほっとする。私は寒さが苦手だ。長野県で長年暮らせたのは、寒くても暮らしが楽しかったからだろう。
子供のころから毎年しもやけに泣いている。暖かい淡路島に暮らしても、しもやけはついてまわる。
では、むき出しの足で海・川・ため池に浮かぶ水鳥や、氷の上を歩くペンギンは、どうして平気な顔をしていられるのだろう。
水鳥の足の皮膚には、暖かい血液を心臓から運ぶ動脈の周囲に、足先で冷えた血液を心臓に戻す静脈が網目のように巻き付いた『ワンダーネット』と呼ばれる構造がある。静脈血と動脈血の間で熱交換が行われ、これによって胴が冷えることを防いでいる。結果的に血管を収縮させる必要がなく、虚血にならず、しもやけ凍傷にならない。足がどんなに冷えても、身体は暖かいままでいられる。
人は、寒いと手先や足先の血管を縮ませ、寒さで体温が失われるのを防ぐ。血行不足の手先足先はしもやけになる。著名な登山家が雪山登山の凍傷で指先が壊死し切断した話を聞いたことがある。
私も水鳥のように『ワンダーネット』が欲しい。防寒具を使ったり、皮下脂肪や筋肉を増やしたり、身体を温める食事等、できる事はやっている。けどしもやけになる。
寒いと閉じる血管は『AVA(動静脈吻合(Arteriovenous Anastomoses)』という。毛細血管に枝分かれする前の動脈と心臓に戻っていく静脈をつなぐ血管で、手のヒラ・足裏・頬・耳・鼻などにある。
快適な温度より寒ければ、AVAが閉じて末梢への血流を減らし、そこから熱が逃げるのを防ぎ、心臓や脳へもどる血流が冷えるのを防ぐ。
快適な温度より暑ければ、AVAを開いて体温を下げる。
AVAの開閉で深部体温をコントロールし、生命維持に大切な臓器をまもっているそうな。
人は厳しい寒さになると、凍傷になるのもふせぎつつ体温も維持するために、AVAはあるレベルで開閉を繰り返す(寒冷血管拡張反応)。
このAVAの収縮・拡張の反応性は個人差があるそう。冷え性の人はAVAが閉じるのが早い。寒いとすぐ手足が冷たくなる。これだ、私はきっとこれかもしれない。
それにしても、生き物の生きていく知恵は素晴らしいし、多様に進化しているところも素晴らしい。
みんな違って、みんないい。『センス・オブ・ワンダー』がとまらない。